ペインクリニック内科

ペインクリニック内科 PAIN CLINIC

痛みの治療

大学病院の麻酔科、整形外科で導入されている半導体レーザー治療器にて慢性疼痛を治療します。
一般の理学療法では膝痛、五十肩などで1年以上通院しても治らない方が多くみられます。一般的に1年以上通院しても改善しない治療は続けても治ることは期待できません。レーザー治療をすれば、2~3ヶ月で治ります。

 

対象疾患:顎関節症、腱鞘炎、肩こり、五十肩、腰痛、膝痛、捻挫など

ロコモティブシンドローム

高齢になって膝や腰の痛みから体を動かしづらくなって、歩行障害になる危険性が高い状態をロコモティブシンドロームといいます。寝たきりや要介護にならないように、レーザー治療器で痛みを治し、歩行やトレーニングで筋力を鍛え、薬で骨粗鬆症を治療し、転倒をしないようにバランス能力を向上させることが重要です。痛みがあると歩行が困難となり、肥満が悪化して生活習慣病、特に糖尿病が発症しやすくなります(2倍くらい増加)。ロコモティブシンドロームの治療はメタボリックシンドロームの予防にも重要です。

頭痛外来

慢性頭痛の原因として片頭痛、緊張型頭痛、薬物乱用頭痛がよくみられます。片頭痛の特効薬としてトリプタンがあります。また、頻繁に起こってつらい片頭痛の予防薬としてバルプロ酸があります。生理前に悪化する方は漢方薬も有用です。緊張型頭痛は肩こりによる頭痛で筋弛緩剤や漢方薬で治療します。薬物乱用頭痛は鎮痛剤ののみ過ぎ(月に10回以上)で頭痛が悪化する頭痛です。この場合は鎮痛薬の服用をやめ、片頭痛や緊張型頭痛の治療を行います。

ペインクリニックとは

ペインクリニックは主に大学病院、大病院にある痛みを取り除く診療科です。
治療法は、痛みの原因になっている神経に局所麻酔薬を注射する神経ブロックが中心です。
神経ブロックは正確に神経をブロックするための特殊な技術で、解剖の知識、麻酔薬の知識、高度な技術が要求されます。注射をしますので、まれに出血や薬の合併症があります。

ブロック注射(当院では行っておりません)

<神経ブロック >
痛みを伝える末梢神経に局所麻酔薬を注射して治療します。

1 )三叉神経ブロック
2 )星状神経節ブロック
3 )硬膜外ブロック
4 )神経根ブロック

<トリガーポイント治療 >
筋肉の凝りの部位に局所麻酔薬を注射して治療します。

レーザー治療

長引く痛み、関節痛(変形性膝関節症、変形性腰椎症、肩関節周囲炎)などの慢性疼痛でお困りの人が多くみえます。レーザー治療をすれば、7~8割の人が3ヶ月ほどで治ります。
当院では大学病院の麻酔科、整形外科などで使用されている半導体レーザー治療器を導入して治療しています。北海道大学のペインクリニックの外来では痛みで来院される99%の人がレーザー治療を受けています。当院では東洋医学のツボ、トリガーポイントにレーザー光線を照射しています。具体的な方法は、皮膚に直接当てて、15~30秒間ほど照射しています。照射部位は熱くも痛くもなく、全く何の刺激も感じません。保険が効く治療法で、3割の方で再診料込みで320円です。

<対象疾患>

顎関節症
肩こり
肩関節周囲炎(五十肩)
腱鞘炎
変形性腰椎症(腰痛)
座骨神経痛
変形性膝関節症(膝痛)
捻挫

<レーザー治療の効果>

血流改善
細胞の活性化、細胞膜の安定化
知覚神経の興奮抑制
抗炎症作用
交感神経の抑制
痛覚閾値の上昇

 

物理的に光には波の作用と同時に粒子の作用(光電効果:アインシュタインが発見しレーザー光線の原理も理論づけた)があり、生体ではレーザー光線の波長により、特異的に吸収されます。照射部位の原子、分子が励起され、エネルギーが取り込まれ、電磁場、電流、熱が発生し、化学反応が促進されます。
レーザー光線は皮膚の表面より2cmの深さまで到達し、深部の組織に吸収され、血行を改善し、組織の修復を助けます。

長引く痛み

慢性疼痛の中で多いのが腰痛でその次に、膝痛、肩痛があります。慢性疼痛で8割くらいの方は整形外科を受診しますが、7割の人は治療に満足していないと言われています。腰痛の85%は痛みの原因がわからない非特異的腰痛です。レントゲン写真、MRIの検査をしても、明らかな原因がわからない腰痛が多いということです。
炎症が治まっているのに治らない原因不明の痛み があまりにも多くみられます。しかし、最近、痛みが長引いて慢性化する要因が少しわかってきています。

 

1 )痛みを脳が記憶してしまう
2 )痛みを伝える神経にトラブルが起きる
3 )精神的要因(ストレス、不安、抑うつ)
4 )過剰な安静

痛みが強いと不安が強くなり、からだを動かさなくなり、筋肉が硬くなったり、筋力が低下し、関節が動かしにくくなり、運動神経の機能が低下して、痛みが益々悪化します。
最近では、痛みが強くても、発症の2~3日後から動かしたほうが慢性化しにくいことがわかってきました。ストレッチ、体操、筋トレを3~6ヶ月続ければ、徐々に筋力が回復し、関節も動きやすくなって、少しずつ痛みが軽減してきます。

薬による治療

急性の痛みには消炎鎮痛剤がよく効きます。しかし、慢性化して炎症も治まっているのに、痛みが長引いているときは、消炎鎮痛剤が効きません。消炎鎮痛剤(NSAIDs)は副作用が強く、胃潰瘍、肝障害、腎障害など重大な副作用に注意が必要です。 

慢性の痛みに効く薬

1 )抗うつ薬 (トリプタノール、サインバルタ)
2 )抗てんかん薬 (ガバペン)
3 )オピオイド (デュロテップ)
4 )リリカ
5 )トラムセット


消炎鎮痛剤の副作用で、アメリカでは年間10万人入院し、16500人が死亡しています。注意してください。

変形性膝関節症

長引く膝痛

膝痛の多くは変形性膝関節症よるものです。歩いているだけで膝には体重の2〜3倍の負荷がかかります。階段を降りるときは、体重の約7倍の負荷がかかります。そして関節軟骨や半月板が摩耗し関節が変形します。

 

関節軟骨がすり減る原因

1 )肥満
2 )筋力の低下
3 )O脚
4 )扁平足


筋力が低下すると歩行が不安定になり、膝周りの靭帯がゆるんで膝関節が横方向や前後にずれたり、回転して軟骨をすり減らします。筋肉のクッションがなくなり、骨盤の上下動が激しくなり、スムースな体重移動ができずに、膝を地面にぶつける様な歩き方になって、軟骨をすり減らします。軟骨がすり減っているのは筋力の低下が原因です。

 

一般的には変形性膝関節症の治療は鎮痛剤や関節注射や理学療法が中心です。これらの治療は一時的に痛みを和らげますが、痛みを引き起こす患部の状態は同じです。整骨院、マッサージに通院する方が多いのは整形外科の理学療法に1年以上通院しても治らないことが関与しています。

 

順天堂整形外科の教授によると理学療法より、運動療法で根本的に膝を治すことを勧めています。軟骨力アップ体操で軟骨を作る軟骨細胞を活性化させます。軟骨細胞が活性化するためには酸素と栄養が必要ですが、軟骨には血管がないので、関節液から酸素と栄養を得ています。関節液は運動により軟骨にしみ込みます。関節を動かす体操により、軟骨に栄養が入り、軟骨細胞が活性化します。

腰痛

腰痛の85%は原因がはっきりしない腰痛で、レントゲン写真でも腰痛を説明する異常はみられません。以前は湿布を渡されたり、手術をされてそれでも治らなかったりしました。原因がはっきりしない腰痛を非特異的腰痛と言います。最近、この非特異的腰痛が85%もあることが分かってきました。

腰痛になる原因疾患

1 )椎間板ヘルニア
2 )脊柱管狭窄症
3 )骨粗鬆症による圧迫骨折
4 )腰椎分離症、分離すべり症
5 )腰椎側弯症
6 )椎間板症、変形性腰椎症
7 )脊椎腫瘍、脊髄腫瘍
8 )化膿性、結核性脊椎炎
9 )筋肉が原因の腰痛
10 )整形外科以外の病気
(尿路結石、膵炎、解離性動脈瘤、十二指腸潰瘍、子宮内膜症、卵巣腫瘍、後腹膜腫瘍、癌)


すぐに病院へ行くべき症状

1 )じっとしていても痛い。痛みが楽になる姿勢がない。
2 )痛みが日に日に悪化する。
3 )脚の麻痺、しびれの神経症状を伴う。
4 )尿が出にくい、尿失禁がある。
5 )少しの動作でも強く痛んだり、身長が縮む。


3ヶ月以上続く腰痛は慢性腰痛です。

病気別の説明

椎間板ヘルニア
突然の腰痛で、排尿、排便の異常、脚の神経麻痺のある場合はすぐに整形外科を受診してください。上記の症状がなければ、放置しても飛び出した椎間板が3〜6ヶ月で6割くらいの方は自然に吸収されて治ります。椎間板ヘルニアで腰痛を起こす人は腰痛全体の2〜3%程度です。つまりMRIでヘルニアがあっても、ほとんどの場合は腰痛はありません。


脊柱管狭窄症
脚の痛みやしびれがあります。間欠性跛行といって一定距離を歩くと脚が痛くなり、立ち止まって腰を屈めて休むと、痛みが治まる症状もでてきます。閉塞性動脈硬化症でも同じような症状がでてきます。動脈硬化の検査が必要です。脊髄が通っている周りの骨の管が狭すぎて神経を圧迫することが原因です。腰を曲げると楽になります。排尿障害や麻痺が強い場合は手術が必要です。


圧迫骨折
骨折は痛いのでコルセットをしての安静、休養が必要です。圧迫骨折の原因である骨粗鬆症を治療することが大事です。


椎間板症
加齢により椎間板が変性しクッションとしての働きが低下して骨の負担が増えて骨が変形して飛び出し(骨棘)神経を圧迫します。


筋肉が原因の腰痛
悪い姿勢、筋肉の減少による筋力低下が原因です。S字カーブを保つ姿勢が大事です。腰痛解消には筋トレより筋肉ほぐしが大事です。


ぎっくり腰
ぎっくり腰の原因は、椎間板の亀裂が広がって外側に達して、神経に炎症を起こした結果です。その結果、背骨の周囲の筋肉が過剰に収縮して痛みが悪化します。これは、漢方薬の芍薬甘草湯で治ります。

画像診断が当てにならない

一般的にはMRI,CTなどの画像診断でヘルニア、骨棘により神経が圧迫されたり、脊柱管が狭くなり脊髄が圧迫されて痛みがでると説明されます。これが間違いです。手術をしても治らない人がいっぱいいます。画像診断では全く異常がないのに、腰痛がある人が大勢います。腰痛がない人でも、MRIを撮影すると約30%に椎間板ヘルニアなどの異常がみつかります。

漢方薬で治療!慢性の痛み

漢方薬による慢性の痛みの治療

西洋医学では治らないこじれた関節痛、筋肉痛、筋肉の凝りに漢方薬がよく効くことがしばしばみられます。X線写真、CT,MRIで異常がなくても痛みが続くことはよくあります。逆にCT,MRIで明らかな異常があってもまったく痛みがないこともしばしばです。

漢方薬が有用な病態

1 )血流障害
2 )冷え
3 )むくみ
4 )ストレス
5 )炎症
6 )体力低下
7 )筋肉の緊張、しこり


西洋医学では痛み止めを服用しますが、消炎鎮痛剤はプロスタグランジンを減らして、病巣部の血流を低下させ、局所を冷やす治療です。漢方薬は血流を改善して、局所を暖め、治癒を促す薬です。

汎用される漢方薬

1 )八味地黄丸高齢者の腰痛には、冷えと体力低下を改善するこの薬がよく使われます。


2 )桂枝加朮附湯
冷えて痛む神経痛、関節痛に効きます。

 

3 )防已黄耆湯
むくんで痛む膝痛によく効きます。

 

4 )桂枝茯苓丸
お血を解消する薬です。静脈がうっ帯して痛みがこじれて治らないときに効きます。

 

5 )治打撲一方
打撲、捻挫に使われます。急性の痛みによく使われますが、慢性の痛みにも効きます。

 

6 )疎経活血湯
血流の流れの悪くなる夜間に痛くなる慢性の腰痛に有用です。冷え、多湿により悪化する場合にも有用です。

 

7 )五積散
冷え、のぼせのある慢性の神経痛に有効です。

 

8 )当帰四逆加呉茱萸生姜湯
手足が冷えて背中〜腰〜大腿が痛むときに効きます。

 

9 )二朮湯
五十肩に効きます。

 

10 )大防風湯
冷えがあり、関節の周囲の筋肉がおちて、変形して関節が痛いときに効きます。

 

11 )葛根湯
肩こりや脊椎起立筋に圧痛があるときに効きます。

 

12 )芍薬甘草湯
こむら返り、ぎっくり腰に効きます。

ロコモティブシンドローム

関節、筋肉、骨などの運動器の機能が衰えると、介護が必要になったり、寝たきりになってしまいます。 次の項目の1つでも当てはまればロコモティブシンドロームです。

 

1 )片脚立ちで靴下がはけない
2 )家の中でつまずいたり滑ったりする
3 )階段を上がるのに手すりが必要
4 )横断歩道を青信号で渡りきれない
5 )15分くらい続けて歩けない


運動器の機能低下には関節が痛くなる変形性膝関節症、骨折しやすくなる骨粗鬆症があります。
ロコモティブシンドロームの主な原因は、バランス能力の低下、筋力の低下、骨粗鬆症、変形性関節症、脊柱管狭窄症があります。
ロコモティブシンドロームの予防に、片脚立ち1分間を左右とも3回づつ、スクワット10回を1日3回、歩行30分すれば、寝たきりにならずに生活できます。
膝痛の人はない人に比べて、認知症に2倍なりやすい、糖尿病に2倍なりやすいといわれています。歩くスピードが遅い人、握力の弱い人は1.5倍認知症になりやすいといわれています。
元気で長生きするためには、筋力を鍛え、骨粗鬆症を予防し、関節痛を治療することが重要です。そのことにより、医療費、介護保険費用を節約することができます。

痛みどめの副作用

消炎鎮痛剤の作用機序

消炎鎮痛剤(非ステロイド抗炎症薬)はシクロオキシゲナーゼ阻害により抗炎症作用と鎮痛解熱作用を有します。
消炎鎮痛剤はプロスタグランジンの合成を抑制して、血流を低下させ、血行を悪くして、病気の治りを遅くさせます。血行不良にして、体を冷やします。一般的には慢性化した痛みは、温泉に入って温めて、血行をよくしたりして治します。つまり、痛み止めは、治療の反対の、治療を遅らせる方法と言えます。
脊柱管狭窄症に処方されるオパルモンはプロスタグランジン製剤で、強力な血管拡張作用を有し、血流を改善して下肢痛、しびれを治すと説明されています。消炎鎮痛剤とまったく反対の作用ですが、整形外科では消炎鎮痛剤とオパルモンが同時に処方されていることがあり、体がどちらの薬に効いたらいいか迷います。

消炎鎮痛剤の副作用

プロスタグランジンが抑制されて、血流が低下し

1 )胃十二指腸潰瘍
2 )腎障害
3 )高血圧


過敏症により

1 )発疹、蕁麻疹
2 )ショック、体温低下
3 )喘息


その他

1 )肝障害
2 )インフルエンザ脳症
3 )骨髄抑制

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